「♪頭を雲の上に出し〜♪」と歌っていた小学生の頃には、私にとって富士山は現実味のあるものではなく、知識の中のものに過ぎなかった。信州に住み、山に登るようになると、しばしば遠くに富士の姿を見つけたが、そのときも、ただ「わかりやすい山」の一つとしての存在に過ぎなかった。
何の因果か、そんな私が富士山麓に住んで今年で14年目になる。視界さえあれば嫌でも毎日目に入る富士。おそらくは自分にとって特別な山になっているはずだが、いまのところその自覚は無い。この土地から離れたときに、はじめて自分にとって富士山の位置づけがどんなものだったのかということが判るのではないかと思っている。
右の写真は朝霧高原を挟んで富士山と相対する毛無山から撮影したもの。箱庭のように見えるゴルフ場が高度感を増幅させている。