「甲武信岳」―よい響き、よい名前だと思う。命名に関して紆余曲折があったとはいえ、甲州、武州、信州の境であることからも、また、拳を突き上げた山容からも、「甲武信」の名は誰しもが納得するところだろう。
「超展望の山々」に、右とほぼ同じ場所から撮影された写真が掲載されているが、その写真には、山岳展望には欠かせないあの山が消えている。
晩秋、川上村から十文字峠に上り一泊。翌日甲武信ケ岳へと縦走した。当時長野市に住んでおり、富士を近くで見る機会がなかった私は、ここからの、ディテールがわかるほどの富士の眺めに感激した覚えがある。下りは千曲川源流を経由して再び川上村へと降りた。