kioku.gif

安倍奥・十枚山

1999.5.23

十枚山

  十枚山は、山梨県の南西の端の山である。ということは当然 静岡県の山 でもある。山域としては 安倍奥とよばれる地域に属する。富士宮の自宅からだとちょっと北西へ走れば登山口という、僕にとっては比較的身近な山だ。そんな近くの山でありながら、実はこれまで登ったことはなかったのである。それだけではない、自慢じゃないが 麓の国道52号線からその山並みを眺めてもどれが十枚山だかわからんというような情けない有り様だったのである。僕はどうも一度登らなければ、その山を身近に感じることができず、山の同定すらおぼつかないようなのだ。十枚山と同じ富沢町に篠井山というとても目立つ山があるのだが、そんな山でさえ数年前に登ってみるまでは、名前と姿を一致させられなかったくらいだ。


990523GP.gif

富士宮市上空から十枚山方面を望むの図
国土地理院刊行数値地図50mメッシュ(標高)を用いて、数値地図ビューアで描画
赤いラインが今回歩いたコースである。


登山口

 十枚山は静岡県側(西側)からも山梨県側(東側)からも登れるわけだが、自宅からは山梨県側の登山口が圧倒的に近いので迷うことなくこちらを選択した。

 
 南部町から林道に入る。林道は途中からダートになった。僕の車は4WDでこういう道は得意だが、そんな車でなくても全く走行に問題ない立派な林道である。どんどん登っていくと登山口の看板を発見。特に駐車場のようなものはないが、林道の幅が広くなっているので数台の駐車が可能だ。

 登山口の看板を見てまず唸った。僕が参考にしている上野巌さんの 「山梨のハイクコース」という本ではここから 山頂まで2時間半くらいだということになってる。しかしここの 登山口にある看板では、3時間半になっているのだ。

 ううむ、今日は午前中に降りてくるつもりなのに、そんなに時間がかかるようでは厳しいではないか。もしかしてガイドブックにある登山口はここではないのかと不安も襲ったが、まわりの状況からして間違いはなさそうである。間違いなければ標高差、距離などから見て3時間以上かかることはないだろうとふんで登りだした。ところが・・・うぎょぎょぎょぎょ、登山道は樹林帯に入って いきなりの急登なのだった。

99052302.jpg
登山口
99052301.jpg
新緑煌めく

99052303.jpg
十枚峠手前の登山道

99052305.jpg
十枚峠

大失態

 30分くらい登ったころ、なんだかザックが軽すぎることに気がついた。 うん? そういえばカメラを持ったっけ???・・ あちゃーなんとカメラボディーを車に忘れてきていたのである。レンズや三脚などは持っているのに・・肝心なボディーが無い。サブのボディーは持ってきていないから、これでは全く写真を撮ることが出来ない。

 もちろん写真なんか撮らなくても山登りは十分楽しい。しかも、この手の山ではぜひとも写真に撮らなければいけないような劇的なシーンに出合う可能性はとても低い。し、しかしである、そうなると背中のレンズと三脚がいかにも 間抜けではないか。ま、まあ、カメラボディーを忘れてきたことなんかわからないから間抜けだなんて気がつく人はいないわけだけど・・・

 一人おたおたしながら迷った揚げ句、結局登山口に引き返すことにした。登り30分のロス。下りは約20分。それもよりによって急登。カメラを持ってまたひいひい登り返し、トータル60分程のロスで先ほど引き返した場所にようやく戻ってきたのであった。

十枚峠

 登山口から件の折り返し点までは杉の植林で少々暗い道であったのが、それを過ぎると広葉樹が少しずつみられるようになってくる。 光が射し、緑が光る。さらに高度を上げると篠井山を下に見るようになる。

  稜線に出る。十枚峠、笹原の広がる明るい峠だ。西側の展望が良い。一際高いのは 大無間山だろうか。右に折れれば 「十枚山」と左に行けば 「下十枚山」。付属品のような響きの「下十枚山」のほうが「十枚山」よりも僅か6mではあるけれども標高は高い。峠から下十枚への往復には1時間もあれば十分そうだが、あの愚かで情けない大失態のせいで、お昼までに下山するには、とてもそんな時間の余裕はなさそうであった。

山頂

 静岡県側から登ってきた親子連れがこの気持ちのいい峠で休憩中。僕は一瞬立ち止まってシャッターを押しただけで十枚山の山頂を目指した。すぐだろうと思った山頂までの道のりは意外に長く、あへあへと息を切らしながらよろよろと山頂に到着。開けた山頂からは富士山が見えるはずなのだけれど本日は見ること叶わず。南アルプス方面もうっすらとは見えるものの、まるで迫力はない。でも、さわやかな新緑の木々がその代役をつとめているのに免じて許してやろう。

 山頂を北西側に下ったところにテント場があるとガイドブックには出ている。様子を見てきたかったけれどもなにぶんにも時間不足なので諦めた。40分ほど山頂でノンビリ休息して往路を引き返した。 40分もダラダラしてるならキャンプ場くらい見てこいなんていわないで。

 登山口に戻ったのはJUST12:00。
99052306.jpg
十枚峠―十枚山稜線
99052304.jpg
十枚山頂

行程
登山口6:30-7:00折り返し点(泣)7:00-7:20登山口
登山口7:25-9:40十枚山10:20-12:00登山口
戻る