北アルプス蝶〜常念岳1998年7月24〜25日 北アルプス 三股〜蝶ヶ岳〜常念岳〜三俣
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【北アルプスへ行こう】梅雨も晴れずパッとしない夏である。でももう私の夏休みは終わりだ。 花が早かったこともあり、自分の意識としてはもう8月の終わりの気 分になっていて結構あせりを感じていた。一年に一回はアルプスと名 のつく山へ行きたいのだ。 長期の山行は無理として、車で行ってぐるっと一回りして帰ってこ られるような山がいい。いくつかの候補のなかで最終的な選択は北ア・ 蝶〜常念だった。この稜線は何度か歩いてはいるものの、今回登山口 とする三股からのコースは私にとっては未知である。コース自体は一 般的なもので、三股―蝶、三股―常念の両コースともに、日帰り山行 のコースとしても良く利用されている。蝶ケ岳が横綱級の展望を誇る 山だけにFYAMAPでもメジャーなコースのうちの一つである。 【蝶ケ岳へ】24日の朝、プラザ安曇野の駐車場で朝を迎えたが、なんとも天気 がよろしくない。結局直ぐに登山口に向かう決断を下せず、豊科I.C. 近くのファミレスへ向かう。その途中、土砂降りの雨。まあここは朝 食をとりながら様子見である。 意を決して烏川林道(とはいっても全面舗装の良い道である)に入っ て、登山口である三股に到着したときにはもう9時近くになっていた。 良く整備された駐車場である。平日であるためか車は少ない。 |
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| 林道をしばらく歩くと登山道の入り口。ここで登山届を出していよ いよ森の中の道を行く。雨こそ止んでいたが、どんよりと雲が垂れこ めている。森の中は霧がかかったようで幻想的。こんな天気は展望を 考えれば×だけれど、「登る」という目的に関しては涼しく快適で理 想的。また写真を撮るうえでも森の幽玄な感じを表現することが出来 るという点でも、まずまず上出来の天気だといえよう。 |
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常念への道を分け、登山道はゆっくりと登っていく。勾配は比較的 緩やかである。沢の水音が良い。森の中、このあたり被写体は無限に ある。もちろん手持ちで撮れる明るさではないので三脚を立てたり畳 んだりして忙しい。まじめに撮っていたら少しも登らないうちに日が 暮れそうだ。後ろ髪を引かれる(もう前髪はほとんどない・・・ ほっとけ^^)思いで、先を急ぐことにする。 勾配が一段と緩やかになり、立派な道標が登場する。地図をみると ここからの等高線が密だ。標高差500mほどはあろうか。急登は日 頃2時間を超える山歩きをせず、かといってトレーニングも全く積ん でいない鈍った我が身にはちと辛い。いつもまにか沢音は遠のき静寂 感が増している。写真を撮るふりをして(^^;休み休み。数組の登山者 と前後しながら行く。途中にある湧水の水場で咽を潤す。実に美味い。 あたりにダケカンバが目立つようになると稜線は近い。ひょっと飛 び出したところが宝石箱をひっくり返したような見事なお花畑。ハク サンフウロの紫やクルマユリのオレンジがちりばめられている。お花 畑の大滝山方面を示す道標がある。ということは、ここはもう主稜線 上だ。到着したも同然。思う存分花を楽しんでゆこう。あとから到着 したパーティーもお花畑をみて歓声を上げている。「お疲れさま」。 みんな二コ二コだ。小屋へ着いたのは1時半頃。三股から4時間半か かったことになる。早い方は3時間程度で登られるようだ。傾斜が緩 やかなところである程度飛ばせばそのくらいであろう。
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【蝶ケ岳ヒュッテ】蝶ケ岳ヒュッテは夕食と朝食を頼んで1泊8500円。小屋の宿泊 料金は同じ山域であればどこもほとんど変わらない。古い小屋でも新 しい小屋でも、サービスの良い小屋でも悪い小屋でも。もちろん混ん でいても空いていても。同じ料金を払うなら少しでも良い小屋に泊ま りたい。その意味でこの蝶ケ岳小屋は少なくとも☆☆はあげられる。 建物の新しさは大きなアドバンテージで、部屋の中はまだ木の香りが するほどだ。共有スペースが広くとられており、受付前の休憩スペー ス、奥の談話スペース、そして食堂と分けられている。談話スペース はまだ発展途上の状態で、壁に作り付けられている棚もまだ空。この 談話スペースがうまく整備され、活用されれば☆☆☆になりそうだ。 収容人数はどのくらいなのだろう。今日はすべての部屋を使う必要 がない。それでも畳2枚に3人の割当。たくさん寝具を使うとそれだ け片づけが面倒だというのはわかるけれど、もう少しゆったりさせて くれてもいいのにと思うのだが。 蝶ケ岳は北アルプス入門の山と位置づけられることが多い。だから 今日のお客さんもの多くが初心者の様子。初心者同士のパーティーも みられる。槍穂あたりの地理そのものにも怪しいパーティーがあって、 あーでもない、こーでもないと話しが弾んでいる。 あいかわらず晴れる気配は全く無く一面乳白色の展望?なのだが、 幸いにも雨は降っていないので、暇つぶしに蝶槍付近まで散歩をする ことにした。途中2組の雷鳥親子に遭遇した。でもこういうときに限 って望遠レンズを持ってきてない。最も長いレンズが50mm。これじ ゃあ作品にするのは無理である。見られただけ運がいいと思おう。
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【朝】4時に起きて外を見てみると、東の空は雲が多いが西側には穂高の 稜線がしっかり見えている。フッハッハ、私が山に登り初めて3年目 から一度たりとも展望に恵まれなかった山旅はないのだよ(花目当て などで悪天候承知で登ったケースを除く)。蝶ケ岳は展望が命のよう な山だから、展望が目当てじゃなかったなんて言い訳はできない。 歯磨きをしながら槍穂連峰を眺めているおじさんと思わず目を合わせ て「よかったですね」と御挨拶。そう、この展望を前にするとみんな 冗舌になる。 |
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南側には御岳と乗鞍岳。乗鞍岳には大きな雲が流れるように被さっ ている。南東側をみると雲と地平の間に赤い帶が渡り、そこに富士山 のシルエットが浮かびあがっている。直ぐ右は南アルプス。左には八 ケ岳の姿が見える。雲間から恥ずかしげというより、弱々しげなご来 光。小屋に戻って、結露した窓越しに撮ってみた。 【蝶ケ岳からの展望〜常念岳へ】朝食は五時。今日は常念を越えて三股へ下る。昨日よりも長い歩き になるので五時半には出発。遅くとも12時までに常念岳山頂から下 り始められれば、まずまずの時間に三股の駐車場まで下りられるだろ うという見込みだ。それより遅くなるようなら常念小屋へ泊ってしまう。明日下りなければいけないわけではないのだ。 |
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| じゃーん! いきなり奥穂高岳にスポットライト。そして北穂に・・ 気まぐれな雲の動きによってスポットライトを浴びる役者が次々と変 わる。わき役の焼岳でさえ、そのライトを浴びながらゆっくりとレース のベールを脱ぐという抜群の演技力で私を魅了してくれる。「あのね、 ミュージカルじゃあないんだから、勘弁して下さいよ」といいながら、 私のレンズは彼や彼女らに翻弄されるのである。さて、いよいよ真打ち、 槍穂連峰の一番北、槍ケ岳にスポットライトが当たった。
そんなことだから、フィルムはパカパカ進むがいっこうに足は進まな い。蝶槍手前のピークで富士山―南アルプス―御岳―乗鞍―穂高―槍― 大天井―常念のパノラマを撮影したのは、もう7時を回る頃。本来なら 30分の行程に2時間近くをかけたことになる。この調子だと常念小屋 泊まりになってしまいそうだ。 |
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蝶槍から一気の下り。このあたりからの常念岳は実に大きく立派に見 える。その立派さは登高意欲を減退させるほどだ。ピークを二つほど越 すと、いよいよ常念岳への登り。さきほど下りの斜面からの眺めよりも、 直下から見上げたほうが高さや大きさを感じない。登りは実に快調であ った | |||||||||||
【常念岳からの展望】9時半頃山頂着。パノラマ写真に双眼鏡、ここではしっかりと FYAMAPerをした。常念岳からの槍・穂の眺めも、蝶からのもの と負けず劣らず素晴らしいものだが、ここでの展望の主役はむしろ北ア 中部から北部の山々になる。まず一際黒い山容で目を引くのが水晶岳 (黒岳)その右には真砂―野口五郎の稜線、左にはこれもまた存在感の ある鷲羽岳が頭をもたげる。これらの山がいわゆる裏銀座コースの山々 で、私はその水晶、野口五郎といったあたりへはいったことがなく、 これは、ぜひ近いうちにと思っている山々である。 さて、近くに目を移して縦走路を双眼鏡で追ってみた。常念岳を下る と登山道は横通岳の西側を通り東天井、大天井へと登っていく。大天井 岳のほんとうに山頂直下という位置に町営大天荘が見える。車を三股に 置いていなければあそこまで行きたいところ。山頂を挟んで反対側にあ る大天井ヒュッテはずいぶん低い位置に見える。そして喜作新道。ヒュ ッテ西岳の赤い屋根が丁度槍ケ岳の前あたり。そしてそこから東鎌尾根 が槍の穂先へ向けて突き上げるように延びている。そういえばあの道は 16年前に歩いたきりだ。 大天井岳の奥に目をやると、白い針のようなものがぶつぶつと生えて いる小さな山が見える。燕岳だ。近くで見ると独特な形に感動する山だ が、常念からの眺めでは背後に鋭く聳える針ノ木岳の引き立て役である。 針ノ木岳の左側の雲がとれてきた。幅の広いどっしりとした山と丸い 山頂を持つ山が姿を現した。立山と剣岳だ。 また雲に隠れたり、現れたり・・・。 残念ながら針ノ木以北の後立山連峰は雲の中から姿を現すことはなか ったが、まあ70点を付けてもいい展望だったのではないかと思う。 【常念岳から三股】展望を十分楽しんだ後、東側からガスが上がってきたのを潮に下り始 めた。主稜線通しにいけば常念乗越にある常念小屋。三股へは山頂から 少し下ったところで道を分ける。勾配はきつくないが、大きな石を乗り 越えながら、すりぬけながらの道なので以外に時間がかかる。前常念岳 と呼ばれる三角点のある地点から本格的な下りだ。ここも、それまでと 同じような道で歩きにくい。登りの登山者何組かとすれ違った。昨日よ りは登山者の数は多いだろう。 さらに下って樹林帯に入るとこんどはやたらに滑る。何度もずっこけ てしまった。自分だけだと思っていたら、途中で出会ったおじさんに 「すべらねえかい?」と問われた。おじさんも4回ほどコケたそうで、 自分だけじゃないのだと妙に安心した。ちなみに、このおじさん、常念 岳日帰り山行で6時に登り初めての下りだそうだ。 15時に三股駐車場着。滑って転んで泥だらけのズボンを履き替えて、 烏川林道途中にある「ほりでー湯」に直行した。 |
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