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櫛形山

1998.7.4
7月4日に櫛形山に出かけてきた。櫛形山は林道が稜線直下まで通じていて、 登ってきたというより出かけてきたというほうが適当なほど容易に歩けて 登れる山である。そして、この山を有名にしているのが山頂一帯のアヤメの群生である。

いつもは7月中旬以降に見頃になるアヤメだが、季節が超前倒しで進んでいる今年は 丁度今ごろが見頃だろうと狙いをつけて午前1時に出発した。
しかし、フロントガラスに雨がパラパラ。
おやおや?
でも、雨なんてことはないはずだ。今日は晴れなんだと自分に言い聞かせ 止めようかという気持ちを振り切って富士川沿いのR52を北上した。

身延を過ぎ、増穂町に入りると、徹夜の身に睡魔が襲ってきた。
空を見上げても☆は見えない。コンビニで買ったパンをカジりちょいと休憩が一寝入り。

ありゃりゃもう4時じゃん登らなきゃ!
おやおや、なんだか、空もいい感じ。

増穂町と南アルプスの里・奈良田を結ぶ丸山林道が、櫛形山への アプローチである。細い林道だがこの時間は対向車がないので 気楽に走れる。天気はますます良くなってきた。

突然富士が姿を現した。 さっき、つい30秒前に一つ下のカーブで見たときには 雲で隠れて見えなかった富士が。
雲もぐんぐん低くなってきた。
やばい、これは寝過ごしたか!

丸山林道から分岐する櫛形林道へ入りる。 ここは、知る人ぞ知る富士山スポットだ。

眼下には厚い雲海。全く切れ目のない見事な雲の海である。

いよいよ富士山の背後の空が赤く染まってきた。
4×5と35mm、二本の三脚を立て撮影開始。 やがて、雲海にも朝日が当たって、ほのかなオレンジに 色づいてくる。
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櫛形林道のお客さんは、今日この時間は3人。 秋口に比べるとぐっと少ない人出だ。

すっかり昼間の光になるまで、場所を変えながら撮影。 一仕事終えた後、僕は櫛形山登山口に向かった。

櫛形山登山口にはいくつかあって、櫛形林道の途中にも登山口があるのだが、 今日は最高標高地点・奥仙重直下まで車で行ってしまうことにした。 これは低山軟弱派である僕が最も慣れた道でもあある。

櫛形林道を分岐まで戻り、丸山林道を奈良田方面へ走る。 左手に池を見るヘアピン左カーブが池の茶屋跡で、奥仙重直下 に通じる池の茶屋林道はここから分岐している。

このあたりからは、南アルプス白峰三山の眺めが良い。今日は 北岳と農鳥岳の山頂には雲が被さっているものの、なかなか勇壮な 姿である。大抵アヤメの花の季節は悪天候であることが多く、僕はここから 白峰三山を見たのは今日が初めてだった。
登山口には広い駐車場があり、もう車が沢山止まっていた。さきほど櫛形林道で 写真を撮っていた御夫婦の車もあった。
ここから奥仙重山頂までの道は樹林帯ときどき草原の登り。 林床にはセンジュガンピの白い花が目立ち、草原にはアヤメや ヤマオダマキ、グンナイフウロなどが目立っている。 マルバタケブキの起き上がりかけて今にも咲きそうな蕾が ユーモラスだ。
右の写真のグンナイフウロは目に付く割に名前を知らない人が多いらしく 何人かに「なんていう花でしょうか」と訊ねられた。
登りついた奥仙重からは、櫛の背に例えられる3km程の長い山頂の 一部をノンビリ歩くことになる。 アヤメの群生地は、この長い山頂の丁度真ん中あたりににある のだ。
わ-!
裸山のアヤメ群生地に到着。 アヤメが咲き乱れる斜面。まばゆい太陽。青空。白樺。 いやーすごい、すごい。 まいった、まいった。
山頂まで登るとしっかり富士山も見えている。 ここから富士山を見たのも初めてだ。
そして、もう一つの群生地であるアヤメ平へ、 こちらは、また裸山とは違った趣で味がある風景だ。
のんびりしているうちに時間は9時を過ぎ、人が多くなってきたので そろそろ引き返すことにする。
奥仙重まではそうでもなかったが、そこから 駐車場までの区間は登りの人数のあまりの多さのため 結構難渋してしまった。
「花はどうでしたか」の問いに「スゲーっすよ」と答え ながらの下りだった。
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