数値地図とは
世の中のデジタル化の流れにのって、紙の地図に替わって登場してきたのが、地図情報を数字(デジタル)で表現した数値地図です。一口に数値地図といっても、表現するものによっていろいろな種類があります。このコーナーでいう数値地図とは地形標高データーが記録された数値地図のことです。数値 標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)とも呼ばれます。
「山と地図のフォーラム」編著
『パソコンで楽しむ山と地図−マルチメディアの山旅』
実業之日本社 2000円+税
発売中
日本の数値地図
日本全国を網羅する数値地図が、紙の地図と同じく
国土地理院から刊行されています。これは、以前からFDベースで刊行されていましたが、たいへん高価であり、とても気軽に購入できるものではありませんでした。ところが1997年7月1日、CD-ROM版の刊行に伴い、価格が大幅に引き下げられました。使い勝手とコストが、ともにに改善されたということで、数値地図がたいへん身近なものになりました。これはたいへん歓迎すべきことです。 さて、このCD-ROMは、250mメッシュと50mメッシュの二種類があり、50mメッシュについてはデーター量が多いので3刊にわかれています。値段はそれぞれ7500円です。 入手するには地図を扱っている大手書店で購入するか、 日本地図センターにFAXなどで注文してください。 もちろん50mメッシュの方がデーターが細かく、風景を描画させて楽しもうという向きにはこちらがお勧めです。
USGSの数値地図
これはアメリカ地質調査所(USGS)が作成したアメリカ国内の数値地図でインターネットから
ダウンロードできます。
奇妙なリアリティー
地形図を眺めて、風景を想像する。写真撮影を趣味にしていた私は、よくそうして撮影場所の検討をしていたものです。 「入り組んだ等高線がどんな地形を表現しているのか?」 地形図を正確に読むという作業は、私のような素人にはなんとも難しいものです。ところが今は、数値地図と3D機能をもったビューアがあれば、これをたちどころに読み、まさに一目瞭然の画像に処理をしてくれます。50mメッシュでのそれは、もう覗くだけでもギョギョっとするくらいリアルなものです。そのリアルさからは、隆起と侵食による大地の歴史が見えてくるような感じさえうけます。 ランドサット等による映像は地球を覆っているものの様子を捕らえているわけだけれど、この地形データーは地表の起伏だけをそのまま再現しているという点で、写真とは違う奇妙な臨場感と迫力を感じます。
数値地図を利用した風景描画の世界
数値地図はすなわち3-Dデーターですから、データーを変換すれば3-Dソフトで立体画像が表現できます。また景観作成、風景シミュレーションに特化したソフトも多く出ています。
このページの最初の映像は数値地図ビューアで伊豆大島を眺めたものです。羅列した数値が実際の数値地図の中に入っているデーターの一部です。
右下は、グレイマップといって、標高を濃淡で表現した図です。このグレイマップはほとんどの3-Dソフト、景観作成ソフトで読み込めるとはずですので、きわめて汎用性の高いものです。数値地図ビューアは数値地図データをこのグレイマップに変換してくれる機能を持っています。
さて、このグレイマップを景観作成ソフトに読み込んで実際に風景をつくってみました。それが右の図です。描画ソフトはVISTAPRO(上)とKPT Bryce2(下)です。真ん中に浮かんでいるのは、数値地図ビューアで描画させた大島です。
数値地図ビューアでは高さによって色を分けているだけです。VISTAPROでは、標高と地形の角度によって地面の色を変えるとともに、樹を作成しています。空には雲もつくれますし、海は波立たせることができます。Bryce2もテクスチャーを変化させることによってさまざまな風景を創り出すことが出来ます。ここでは噴火させて溶岩を流したつもりです。超初心者ですのであまり上手くいっていないのはご容赦下さい。ちらっと見える水の描写でBryce2の実力の片鱗がわかって頂けるでしょうか。
3D風景描画ソフトは、その主な使用目的により大きく二つに分かれます。
私が使っているソフトウエアを紹介します。
数値地図を見る、あるいは読む、あるいはシミュレートし解析するためのソフト
数値地図ビューア(Mac)
品川地蔵氏作成のシェアウエア(2000円)。鳥瞰図作成、任意の地点からの展望図作成、断面図の作成、距離の測定、グレイスケールの出力など十分な基本機能が備わっています。基本的にMacユーザーの私は、このソフトを常用しています。Nifty-Serve「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)」のソフトウエアライブラリーから最新版をダウンロードできます。
カシミール(Win95/NT)
DAN杉本氏作成のフリーソフト。「カシミール」は地名ではなく「可視見る」。もともとは、「富士山はどこから見えるか!(可視マップの作成)」とか「この山から、あの山は見えるか!」を容易に判定させたいという要求から生まれたものです。山岳展望ファンにとっては、まさに必携といえます。度重なるバージョンアップにより数値地図ビューアとして、さらには風景シミュレーションソフトとして豊富な機能を持つ数値地図最強ツールに成長しています。
対応する数値地図は、「数値地図50m,250m,1km」、USGS 30 arc-second DEM、USGS 1-degree DEM、グレースケール等。展望機能だけではなくフライト機能、GPSデータ表示機能も持っています。
DAN杉本さんのホームページ、またはNifty-Serve「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)」のソフトウエアライブラリーから最新版をダウンロードできます。
MoV(Win)
Kragenさんのフリーソフト。Nifty-Serve「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)」のソフトウエアライブラリーから最新版をダウンロードできます。MoVの特徴は時間をシミュレーションできることです。すなわち時間に基づいた空の変化をシミュレーションできるほか、星や太陽などの描画ができるのです。 そしてその描写は数あるシミュレーションソフトの中でも際だって美しいものです。左の画像は七面山からの富士山をシミュレートしたものです。七面山は春分の日と秋分の日に太陽が富士山から昇る、いわゆる「ダイアモンド富士」で有名な場所。MoVでもしっかりと富士山頂から太陽が昇っています。もう一つの特徴は,地球の丸み、空気による光の屈折と散乱が考慮されていることで、これについてはkragenさんの強いこだわりがあるようです。MoVについて詳しくは
Kragenさんのホームページをご覧下さい。
風景を作成、創造するためのソフト
VISTAPRO(Mac,Win)
発売元:
A.I.ソフト
米国
Rom Tech 社(元 Virtual Reality Laboratories, Inc.)のソフトでUSGSのDEMデーターを使用します。すぐ利用できるものとしてVISTAPROデーター集も発売されています。最近、国土地理院の数値地図をVISTAPRO用のデーターに変換するソフトも発売されたようです(Win版だけ)。私は数値地図を一旦グレースケールに変換してVISTAPROに読み込ませています。標高差の大きいマップですとちょいと段差が出来てしまうのが問題ではありますが。VISTAPROはフラクタル手法を使ったレンダリングで、絵を描く感じでCGが作成できます。また風景の中を自由に走り回り、飛び回れるムービーも作成できます(こいつがすごい!、時間と場所を喰うけど)。樹木を配置できるのは良いのだけれど、4種類の樹木の内の2つがサボテンとヤシの木(トホホ)で、日本の風景で使えないのが難点。
富嶽仙人フォトギャラリーに沢山サンプル画像があります(^^)
KPT Bryce2(Mac,Win)
発売元:Media Vision
よく3D画像の背景画なんかに使われるようです。幻想的風景はお手のものですが、現実に近い映像にしようと思うと、地形のマッピングが今一歩です(私の力がないからか)。その半面空とか水面なんかはメチャメチャ綺麗です。グレイスケールを読み込んで地形の編集が出来る>侵食させたり、尖らせたり、荒らしたり出来んのよん)機能がグッド。やっぱり超現実的な風景を作成するほうが向いていますね。ほんとにとっても楽しく使えるソフトです。
風景だけではなく普通の3Dソフトとしてもある程度使えます。
Bryce2のホームページは
こちら
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