![]() 2003年夏・北アルプス 夏山最盛期の静かな山旅 5/52003.8.7 |
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22.朝の四十八池 曇り空、でもって天気の模様はなんとなく下り坂。それでも朝の日差しがちょろちょろという状況に少し躊躇。 私と同じく扇沢まで車で来ている松川村氏と下れば、扇沢へのタクシー代は割り勘で半分になるなぁとセコイ考えが頭をよぎったけれども、ここは初志貫徹、烏帽子岳と四十八池方面で遊ぶことにする。 朝食後すっかり日は高くなってしまった稜線を再び烏帽子岳方面に向かう。ザックは小屋に置き、カメラとレンズ、三脚といった撮影機材だけを持ってのお散歩だ。 |
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![]() 前烏帽子から烏帽子岳(左)と南沢岳(右) |
で、気が付いたことがひとつ、ザックが無くても思ったより歩行速度が上がらない。別に急ごうという意志は無かったのだけど、荷物がなければもう少し軽く体が動くのかと思ったらそうでもないのだ。 気を取り直し、まず展望の良い前烏帽子で撮影開始。天候は曇り。赤牛岳、野口五郎岳は雲に覆われているものの、烏帽子、南沢岳は十分見えており、ときおり雲の隙間から日差しが差し込む、写真屋さんにとってはまずまずの状況だ。おいしい光線を逃さないように、太陽の位置、雲の動きを見ながら撮影を進めていく。 東側の餓鬼岳、燕岳方面も逆光でシルエットになった感じも水墨画っぽくて素敵だ。やっぱ降りなくて良かったね。 |
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烏帽子岳への分岐を過ぎ四十八池に降りる。チングルマやイワカガミ、アオノツガザクラなどが咲く草原のなかに点在する池溏。烏帽子の岩峰がずんぐりしてしまうのが今一ではあるのだけれど、なかなか秀逸な風景だ。 烏帽子岳を山頂まで往復しこれから南沢岳に向かおうとするところの定年前大縦走氏がやってきた。 |
四十八池付近より |
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23.グリーンパトロール 小屋への帰り道、前烏帽子の山頂に2人の若者が居たので声を掛ける。腕に腕章をしたグリンパトロールである。私もかつてこのアルバイトをした。そしてそれがこうやって山に登り続けるきっかけとなった。ついこの間のことのように思えるあの夏からもう20年の月日が過ぎ去った。今、目の前にいる若者達はその時まだ生まれていなかったのだ。 自分はあの夏からなにも変っていないと思っていた。でも今目の前にいる若者の姿に、自分がこれまで無駄に過ごして来た年月を突きつけられたような気分だ。 |
![]() チングルマとイワカガミ |
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烏帽子〜前烏帽子間はコマクサのお花畑 |
私は当時上高地担当で、1週間に1度上高地まで降りる日が決められていただけで、あとは単独での放し飼い状態であった。彼らは2人組で、指定された山小屋を順番に巡ることになっているのだそうだ。 しかし、それはとてつもなく羨ましい日程である。たとえば室堂から入山し、五色ヶ原で2泊、スゴ乗越1泊、太郎平3泊、薬師沢1泊、高天ケ原2泊(ちょっと違っているかもしれないけれど)なんて具合で、昼間の過ごし方は自由!!。 ひょえ〜、山好きならば垂涎のアルバイトであろう。山小屋のバイトとは自由時間が1000倍違う。もし許されるのならば私だって夏に一ヶ月の休暇を取って毎年やりたい。 |
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とにかく景色に感動しまくりの様子で 「いやぁ〜こんないいいいアルバイトがあっていいものかと思って・・・」 山の名前や花の名前がようやくきちんと答えられるようになってきたところのようだ。 詳しくは聞かなかったが一人は環境関連の専門学校に行っているとのこと。この夏の経験は必ずや彼の人生にプラスになるであろう。そしてその恩返しをこの山々にしてほしい・・・ 「えっ? 恩を仇で返しているあんたに言われたくないぜっ!」て? |
前烏帽子から野口五郎岳を望む |
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24.ブナ立尾根下山 小屋に戻ったのが9時前。烏帽子の撮影が朝メシ後の一仕事となったわけだが、もはや腹が空いてしまった。下り始めれば高瀬ダムまで一気なので、腹ごしらえが必要だ。ザックの中に残っていたラーメンを雲に覆われた赤牛岳、薬師岳を眺めながら小屋の前で食す。あとは下るだけだ。 野口五郎岳からの登山者もちらほら。そろそろ下るかぁ〜と決心し荷物をまとめて出発。 このブナ立尾根を下るのは2回目である。ブナ立と言ってもブナの森を下るのではなく周りはほとんど針葉樹。左手には不動岳〜南沢岳の稜線とそこから崩壊する濁沢の斜面が見える。このコース、登り口から小屋まで12に区切って実際の登山道上に番号が付けられている。これが目印になるので地図を見なくても自分の位置の確認がしやすい。 |
![]() 唐沢岳と餓鬼岳 |
不動岳 |
下り道も中盤を過ぎ、そろそろ早立ちした登山者とすれ違っても良い頃だけれど、ほとんど出会わない。そんなに人気の無いコースでは無かったはずなのだが・・・この分では今日も小屋はメチャ空きだろう。 最初にすれ違ったのが女性の単独行・・・その後何人かの後だっただろうか、凄いピッチで上がってくる少女。かなり後から、お母さんとその息子とおぼしき2人が登ってきたので、先行の少女は娘と思われるがこれはメッチャ早かった。ブナ立ち中盤であのスピードであればコースタイムの半分は軽いんじゃないだろうか。やっぱ体が軽いというのがいいのだろう。もうちょっと体重落とさなきゃぁだめか・・・。 |
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2回ほど小休止を入れながら、2時間少々でブナ立ち尾根登り口に到着。一面白い河原となっているここは南沢岳の東面、濁沢の下流にあたる。この地を埋め尽くしている白い砂礫はすべてあの山から崩れて落ちて流れてきたものなのだろう。うーんこの調子じゃ高瀬ダムなどすぐに埋まってしまいそうだ。 途中にある濁沢キャンプ場はかなり賑わっていた。でも、 |
このキャンプ場を過ぎるとトンネル歩き。電気はついているが気持ちの良いものではない。トンネルと抜けると高瀬ダム。 以前はたまたま空きのタクシーがあって信濃大町駅まで乗っていけたのだが、この日はピストン輸送で忙しいらしく、私は七倉で降ろされ、そこで一旦降りて下から呼んだ車を待ったのであった。 |
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登場する人物はすべて実在しますが、若干脚色している場合がないとは言い切れません。 |
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