![]() 2003年夏・北アルプス 夏山最盛期の静かな山旅 2/52003.8.4 |
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7.針ノ木大雪渓を登る 扇沢から針ノ木峠まで。朝早く富士宮の自宅を立ち、いつものように豊科IC出口のロイヤルホストでモーニング。コーヒーを飲みながら今日の予定を再確認する。登山口である扇沢に到着したのが8時前。 扇沢駐車場の手前、爺ヶ岳登山口近くにはおびただしい数のマイカーが駐車してある。おそらく週末に入山した登山者のものであろう。上の駐車場の空きが一瞬心配になったがそれは危惧する程ではなく十分余裕がある状態だった。 針ノ木峠は、戦国時代の武将、佐々成政の冬の針ノ木峠越えで有名だ。扇沢からは北アルプス三大雪渓のひとつ針ノ木雪渓を登ることになる。ちなみに残りの二つは白馬大雪渓と剣沢だ。 バスターミナルの左手から登山道に入り、アルペンルートの車道を何度か横切りながら行くとちょっとした広場に出て、そこから本格的な登山道となる。 |
![]() 大沢小屋手前の小さな流れ |
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登山道に入って一時間少々で大沢小屋に到着。小屋の前には「山を想えば人恋し、人を想えば山恋し・・・」という我儘な?詩が刻まれた慎太郎のレリーフがある。 慎太郎と言ってももちろん石原慎太郎ではなく、現在の山岳ガイドにあたる登山案内者組合を設立するなどして、この山域の開発に貢献した百瀬慎太郎である。毎年6月上旬には開山祭を兼ねた慎太郎祭も開かれる。この大沢小屋も上の針ノ木小屋も彼が開設したものらしい。 この大沢小屋ではいかにも山のオヤジらしいオヤジが小屋番をしていた。今年は花が遅く、ついこの間までそこにキヌガサソウが咲いていたなどと常連客に話をしている。大雪渓も雪が多そうだ。 |
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小屋から30分ほどで雪渓への取り付き部に到着。ここでお湯を沸かしてコーヒーを一杯。一応軽アイゼンを装着し。ストック2本体制の雪渓モードに切り替える。雪渓の登りは涼しく快適。しかし雪が日差しを反射してかなりまぶしい。うーんこりゃ結構焼けるかも・・・。 ダブルストック方式はなかなか調子が良くかなりのスピードが出る。前後して登っているのは、さきほど大沢小屋で一緒だった、常連さん風の二人と、中年の夫婦、そして三脚を担いだご老体と奥さん。あとで小屋で知ったのだが、この方は齢70、バケペン(ペンタ67)を背にしての登りであった、御立派、御立派。 |
![]() 大雪渓取付部 |
一面雪だらけの針ノ木大雪渓、白馬大雪渓は人だらけかも・・・ |
![]() 小休止、稜線が目線の高さに・・ |
痩せ蛙、峠の小屋まであと百歩 |
振返ると雪渓は結構な急勾配でなかなかの高度感と迫力がある。爺ヶ岳から鳴沢岳に至る稜線が目線の高さまで下がって来るころ、雪渓は緩く左側にカーブ。右手にマヤクボ沢、その上に見えているのは針ノ木岳の一角であろう。下から見上げると単なる岩としか見えず山の形はよくわからない。 雪の上に動く物体を発見、なんだと思ったらカエルだった。うーむ、ここで生れ育ったのだろうか・・・。動きはかなりスローモーションだ、夏であっても雪の上というのはカエル君にとってはかなり辛いんではないだろうか。 |
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雪渓が割れ、流水が見え始めた、そろそろ雪上歩行は終了だ。 ここからはつづら折りで稜線まで上がっていくのだが雪渓でピッチを上げ過ぎたためかすでにヘロヘロ状態。青息吐息で13時半頃に針ノ木小屋に到着した。 さっきまで良く見えていた鳴沢岳あたりは雲の中で針ノ木岳もガスに霞んでいる。天気が良ければ針ノ木岳を往復しようと思っていたのだがあっさり断念。朝は槍穂もくっきり見えていたとのこと・・・残念。 一方、明日歩く予定の北葛岳、七倉岳の稜線はしっかりと見えている。結構アップダウンがありメゲ気味。ときおりガスが切れて烏帽子岳までの稜線も見え、こちらはさらにアップダウンがきつそうなのと距離がありそうなのにゲンナリ。 |
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8.針ノ木小屋 小屋に宿泊手続。明日の朝は早めに出ることにして、朝食はパスして替りに弁当を頼んだ。案内された部屋の作りはいわゆる2段の蚕棚という一般的なもの。山小屋のご経験が無い方の為にちょいと絵を描いてみた(下)。こういう感じのところに布団を敷き詰めて寝るのだ。私の寝床は梯子を上がった2段目、アマツバメと称する部屋だった。布団2枚分に4人。掛け布団が羽毛(この後泊まった2つの小屋もそうだったので最近は皆そうらしい)なのには驚いたが、敷布団は極薄タイプ。それに「なんじゃこりゃ」と思わず笑ってしまうような小さい枕が5個並べて置いてある。昨日はここに5人寝たらしい。土曜日はもっと凄かったらしい・・・恐ろしい話だ。 この部屋、やや具合が悪い。棚の奥行きが布団の長さと同じくらいしかなく、荷物を置けるスペースがほとんど存在しないのだ。だから階下のどこかにスペースを見つけて置かねばならないのだが、それ用の場所が確保されているわけではない。下段も同じだから通路や入り口の一角あたりはザックだらけになる。おまけに天井の梁が低くうっかりすると頭をぶつける(って自分がぶつけたんだけど・・・隣の人も) |
針ノ木小屋前から、北葛岳(左)と七倉岳(左) 実際にはひとつの山が小さいのと |
山小屋内のイメージ こんなもんを3Dで作ったりして・・バカですねえ・・ 一応、山の知識全然無しって方も理解できるようにって |
針ノ木峠は南北の峠越えの道と東西の縦走路が交差する交通の要衝だ。すなわち、針ノ木雪渓を擁する登路が北から、黒部湖からの道が南から、針ノ木岳からの道が西から、蓮華岳からの道が東からやってくる。 今回の私のコースのように扇沢から直接針ノ木峠を目指す人もいるが、扇沢から種池に上がり爺ヶ岳を往復してから一日掛けて鳴沢岳、赤沢岳の稜線を縦走して来る人も多い。コマクサの群落で有名な蓮華岳は峠からの往復で済ます人が多く、その先に足を伸ばす人は少ない。黒部湖に下る人はさらに少ないだろう。 隣になった3人のパーティーは私の次の宿泊予定地である船窪小屋から来たとのことで、盛んに「良かったよぉ」と繰り返す。どうもここ針ノ木小屋とは雲泥の差のようだ。 隣にバケペン老夫婦。その隣に爺ヶ岳から方面から縦走してきた単独行の男性。この方も写真をやるようで、バケペン爺と写真談義を始めている。 |
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階下に男女混合の中年団体。これがまたご多分に漏れず結構騒がしい。団体の場合には、たとえ他人も同居するスペースであっても自分の周囲は自分の団体のメンバーだけなので、どうしてもそこが自分たちの部屋であるような意識になってしまうのだろう。騒がしいのも不愉快だし、この団体のせいで寝床も圧迫されているのだなと思うと少々苛立つ(ってもそんなのはお互い様なのだけれど)。 そうこうしているうちに食事第1回戦(注1)。小屋のお姉さんが件の団体さんに声を掛けに来た。 私が食事をした2回戦では、呼ばれもしない10名の団体が先に席取りしていたりして、危うくはじき飛ばされる寸前だった。 自分のなかに「団体はそんなもの」という先入観があるのは事実で、嫌な部分をピックアップして見てしまう部分もあるけれど、とにかくこういった団体さんと同宿するのは気分の良いものではない。 一方、単独行は危険だから特に高年齢者は止めたほうが良いという誠に正しい御意見もあって、じゃあいったい小屋泊まり山行は何人で行くのが適正なのよということになるのだが、自分としては、まぁ2人か3人、多くても5人というところなのではないかと思うのだ。なんの根拠も無く「ただなんとなく」ではあるのだが。 |
針ノ木小屋のバッチ いつも、モノとして残るものが写真しかないので、最近山小屋のバッチを買うことにしている。今回は針ノ木岳には登らなかったので、針ノ木岳のバッチではなく翌日登る蓮華岳のバッチを買った。 注1)山小屋では最大収容人数に対し食堂が狭い為、食事を何回かに分ける。○回目を○回戦などという。 |
少しだけの夕焼け |
食事の後、ちょこっと背後の空が焼けた針ノ木を1枚だけ撮り本日の撮影は終了。 8時過ぎに就寝だが、やはり布団1枚に2人は狭い。自分が窮屈というのはもちろんあるのだけれど、私自身、起きたときには足と頭が逆さまというのも珍しくないくらい結構暴れながら寝る体質のヒトなので、僅か30cmの幅で静かに寝ているとは思えず、両隣のヒトには甚だしい迷惑を掛けていることは想像に難くない。 窮屈なのと、申し訳ないのと、暑いのと、あっちこっちで鼾が煩いのでなかなか寝つけない。暑いのはちょいと窓を開けたりして調整し解消したものの、狭いのと鼾は如何ともしがたく、ずっと起きているような感じ(きっと小刻みに寝ているのだろうとは思うが)で結局朝まで(T_T) |
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