![]() 2003年夏・北アルプス 夏山最盛期の静かな山旅 1/52003.8.4 |
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1.夏山行の計画 はてさて今年はどこへ行こう・・・ 長引く梅雨は8月に入ったというのにまだ明けていない。 それでも一応決められた休みというのはやって来るのであって、アタクシの場合、今年は8月の第2週がそれである。天気がどうであろうと、そこで行けなければたぶん今年の夏山行は無しになるだろう。 山といえば最近は近所の低山徘徊だけで、日本アルプスの山々にはすっかりご無沙汰の今日この頃。でも夏にだけ細々と続けているアルプス行。やはり夏休みを目前に控えると無性に出かけたくなってくるものである。 |
この恒例の夏山行、99年は双六〜烏帽子、00年は劒・立山、01年は唐松、白馬、そして昨年は蝶・大滝。 宿泊を伴う山行きの場合はテント泊を基本としている私であるが、この中でテント泊縦走といえるのは99年と01年だけで、それもかなりコースを刻んだ怠惰な縦走であった。 00年に至っては雷鳥平ベースキャンプでの劒・立山軽装徘徊。そして昨年はついにたった1泊の小屋泊まりでお茶を濁しているのである。 |
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2.テントか小屋か テントに拘る理由の第一は安いこと。小屋泊まりは食事代を別にしても約6000円、それがテント泊なら管理費500円程度で済み、小屋泊まりとの差額は5000円以上となる。かなり高級なテントを買ったとしても10泊もすれば完全に元が取れる計算である。 テント泊の回数が少なければテント泊一泊当りの経費は高くなるので、テントが使える状況であれば出来るだけ使ったほうが良いのだ。 第二の理由は、混雑するハイシーズンでもゆったり眠れること。山小屋は避難小屋としての性格もあるので来るもの拒まずで宿泊させる。その結果としてシーズンピーク時にはとんでもない状況に陥る場合があるのだ。 布団1枚に2人、3人は当たり前。最悪の場合には廊下や土間など至る所を利用して寝かせられる(当然まともに眠れないが)のである。しかも宿泊料金は布団一枚に悠々と寝られる閑散期と変らない。 スペースには比較的余裕があっても、同じ部屋に沢山の人間が枕を並べて寝ることになることには変わりなく、他人の鼾が煩くてなかなか眠れないということも多い。 テントの場合は一度張ってしまえばこちらのもの。それによって確保されたスペースは完全なる個室となる。もちろん他人のイビキで安眠が妨害されることもなく、逆に自分のイビキで他人の安眠を妨害することも無い。さらに言えば、テントの中は散らかっていても平気、また服装を気にすることも無いのである。 |
第三の理由は時間が自由なこと。これは殊に写真家にとっては重大なポイントになる。たいてい小屋の食事の時間が朝夕の撮影時間に重なってしまうので、食堂で飯を食いながら窓の外の朝焼けを眺めて「わぉ」などという事態にしばしば陥いってしまうのだ。 テントの場合は天気や自分の気分次第でどうにでもなる。小屋でも自炊にして食事を頼まなければよいのだけれど、食事が売りの小屋もあったりして、折角だから・・・とやっぱり飯付きにしてしまう軟弱なアタクシなのである。 さすがに朝食は「明日の朝は晴れ」と読んで、弁当を頼んだり、自炊にしたりすることもあるが、そういう手を打った場合にはたいてい天気はすぐれず、「きっと明日の朝は駄目だろうからゆっくりすっか」と小屋の朝食を頼んだときに限って、大雲海の大焼けになったりするのだから始末が悪い。 ただ、テントはそれなりの荷物を背負う必要がある。最近ではテントそのものの重さは軽くなっており、たいした負担ではないのだけれど、テント泊をそれなりに快適に過ごそうとするとなんだかんだと荷物が増えるのである。 夏休み前にトレーニングがてらの山行が出来ればテント泊の勇気も湧く、しかしこの歳になるとイキナリテント背負ってというのは少々怖い。 例年通り今年の夏も体重十分、気力不十分であって、当然テント泊の大縦走はパス、 |
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3.コースの選択 小屋泊まりとするとなると結構コースに悩む。混雑した山小屋に泊まるのはまっぴら御免である。 穴場的、知る人ゾ知る的な素敵な山小屋に悠々と泊まりたいしかも景色が良くて、写真が撮れて・・・んでもってあんまり大変じゃなくて・・・って、そんなとこあんのか!ってくらい我儘な希望。 考えた末、扇沢から針ノ木峠に上がり、蓮華を越え、北葛、七倉、船窪、不動と縦走し烏帽子から高瀬ダムに降りる計画を立てた。まぁ考えた末っていうより、前から行きたかったのではあるけれど。 少々マイナーな地域でもあるので、その場所を地図に示した。赤線が今回歩いたコースで、鹿島槍や爺ヶ岳で知られる後立山連峰と、いわゆる烏帽子、三俣蓮華岳などを繋ぐ裏銀座縦走コースの間にある山域である。一般には名前が挙がることは少ないが、蓮華、北葛、七倉などは大町市から良く見える山であり元地元信州人としては、馴染みのある山だ。 縦走コースとしてはマイナーなこのこのコースを選択したのにはそれなりの理由がある。それをちょっと列挙してみよう。 (1)後立山と裏銀座を繋ぐこのコースが自分自身未踏路として残っていたこと とまぁこんなところでだ。ここまで理由を作らないとなかなか重い腹が、いや腰が上がらないというのが情けない。 |
一応主脈の縦走なのだけれど、直線距離の割にクネクネ曲がって歩行距離は結構長く、それに標高が比較的低いためアルペン的風貌に乏しいのが人気の無い理由だろう。道もあまり良いとは言えない。 |
縦走コースを鳥瞰図でも描いてみた。主要な地名も書き入れたので、山行記理解の山行にしていただければ幸いである。 |
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4.日程をどうするか サラリーマンの場合、休みを取ることが出来る日は限られる。最近は結構自由に連休を設定できるところもあるようだが、天気を睨みながら計画を立てたりするほどの自由度がある人は余り居ないだろう。 ご多分に漏れず、私も夏休みというのは最初から日程が固定されており、その中で計画を組まねばならない。唯一救われるのが、その夏休みが世間で「お盆休み」と言われている時期と異なることだ。 しかしその休みの間中雨続きということもありえない訳ではない。梅雨明けが遅れヤキモキさせられたけれど、私の夏休みの始まりと同時になんとか梅雨が明けてくれてほっとした。 |
天気はさておき、混雑の嫌いな私にとっては小屋泊まりとすれば週末を外すのがまず定石。それと月or金に休暇を取って土日と合わせて2泊3日という計画を立てる人も多いと思われるので、日曜日登り、土曜日下山というのも避けたい・・ということで、8月4日の月曜日から登ることにした。 しかしながらこういう読みも、小さな山小屋の場合には数十名の団体がひとつ入るだけで狂ってしまうので心配は尽きない。 山にご無沙汰していると、今、自分がどの程度の体力があるかということがわからない。当初は扇沢から船窪小屋まで一気に行こうかとも企てたのだが、恐らく体力・気力が持たないと判断し、結局初日は軽めの行程とすることにした。 写真家としては、行動中に撮影時間が欲しいし、針ノ木、蓮華周辺で朝夕の写真をしたいという理由も有る。というわけで、宿泊地は針ノ木小屋、船窪小屋、烏帽子小屋として計3泊。天候不順の場合は船窪小屋から七倉へ降りるコースも考慮に入れておく。 |
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5.今回の機材 さて本日の持ち物である。中判を持っていくかどうか最後まで迷ったが、それは結局パスすることにした。去年までなら間違いなくマキナ67が詰め込まれたのだが、不幸事故のために今はそれが無い。 しかしながら私にとっては35mmカメラだけも全く不都合はない。そもそも私の山の写真は狙いを定めて待ちの体制で撮るのものではなく、目の前に現れた光景を本能のおもむくままに切り取るというどちらかというと野蛮な撮影方法である。だから中判以上のカメラでは、そのハンドリングの悪さゆえ本能の指令通りに撮影出来ずに欲求不満に陥ってしまうのだ。 実際には35mmカメラであっても欲求の1/10も叶えられているとは言い難く、「良いなあ、撮りたい」と思っても撮れない事のほうが遥かに多い。だからこれを中判に切り替えるというのはまずあり得ない。あり得るとすればデジカメ化であろう。 三脚を据え、狙って撮るケースが全くない訳ではない。だからそれ用の大中判と行動中用の35mmの二刀流が私としてのフル装備で、日帰り山行ではこの装備をすることが多い。しかしこれは機材だけで20kgを越えるほどで悲しくなるほど重いのだ。 |
今回の山行のなかでも、例えば朝の蓮華岳、朝の烏帽子や四十八池などは大きなカメラでじっくり撮りたいところではあるのだけれど、その欲求は切り捨てて身軽さを優先することにした。これは体力の無さに起因する苦渋の決断なのであって、まったくもって情けない限りではある。 私の35mmシステムはいまだに銀塩。ボディーはEOS3、レンズは24-85mm標準ズームをメインに、望遠ズームとして70-200F4L、マクロレンズとしてタムロンSP90mmを交換レンズとして携行。フイルムはベルビア50とプロビアFにテストも兼ねてベルビア100も加えてみた。 フイルム本数は36枚撮り10本とちょっと少なめ。これ以上は予算上苦しい。三脚はベルボンのカーボン・カルマーニュ630。 これらの機材とその他のもろもろの山装備を合わせたザックの総重量は大判や中判を携行する普段の日帰り山行よりも軽い。これならバテることなく快適な山旅が出来るだろう。 しかしながらテント泊用としての使用が主な80Lザックはガラガラで(荷物が少なすぎて)まともに蓋が閉められない。カメラケース替わりのウエストバックなどを突っ込み何とか容量を増やして形を作って荷物は完成した。 |
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6.今回のお試しグッズ 行動中、望遠ズームとマクロレンズはLow-proのストリート&フィールドシリーズのベストハーネス+デラックスウエストベルトに取り付けた2つのレンズケースに収納し、ザックを下ろすことなく、いつでもレンズ交換が出来る体制とした。 このレンズケースを取り付ける位置が重要なポイントである。Low-proカタログの写真(右)を見ると、レンズケースなどはウエストベルトに装着されている。これだと小さなザックを背負う程度ならば問題がないが、登山用の大型ザックを背負う場合には不具合が生じる。体の横に装着すればザックのウエストベルトに干渉し、前に装着すると特に長いレンズケースの場合には脚に干渉してしまうのだ。 それはこの製品に限った問題ではなく大型のウエストバックが共通で抱えている問題である。ところがこのLow-proベストハーネスはウエストベルトより少し上、腹の位置にもレンズケースを取り付けることが出来るため、この問題を解消できるのだ(下)。確かに格好は良くは無いが、この際そんなことは言っていられない。35mmは速写性が命。スムーズな撮影をするためには仕方がないのだ。 |
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普通はウエストベルトにレンズケースを装着するが、大型ザックの場合、ウエストベルトが幅広のため干渉する。それを避けて前に装着すると今度は脚が上がらなくなるのだ。 |
また、このレンズケースはベストハーネスから簡単に取り外すことが出来る。だから例えば雨が降ったり、あるいは岩場などで行動の支障になるような場合には、さっと外してケースごとザックに放り込めるのが良い。 以前、MFカメラの時代にはレンズが小さかったため、普通のベストで十分機材が収納出来た。こんな大げさな装備にせざるを得なくなったのはAF化による弊害と言えなくもない。 24-85mmを取り付けたボディーは裸のまま首から下げる。ベストハーネスには振れ止めのため(だと思う)のベルトが付いているので、カメラを体に密着させたまま行動することが出来る。 とまぁ、いろいろ書いたのだが、実は実際のフィールドでザックと組み合わせて長時間この収納システムを使ったのは今回が初めてなのであった。なにせかなり物々しい格好なので、ちょっとした撮影に使うのは結構恥ずかしい。 結果としては予想以上に機能してくれて満足、満足というところ。もちろん、撮影、山行スタイルや機材は百人百様であって、誰にでもこれが具合良く機能する訳ではないので念のため。 |
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