富士山森林限界を行く

御殿場口新五合

2003.6.8
御殿場口新五合目-双子山(二ツ塚)-幕岩-御殿場口新五合目

 昨日の富士宮口に引き続き、今日は御殿場五合目へ。御殿場口は「太郎坊」と呼ばれ、車で五合目まで行けるようになる前はおそらく最も賑わったであろう伝統の登山口である。他の登山口の車道終点であるそれぞれの「新五合目」が、もともとの五合目に近い標高地点にあるのに対し、この御殿場口新五合目は、本来の二合目程度の標高しかない。富士宮口と比べると標高差は1000mもあるのだ。しかも足下は砂地で歩きづらい。今日、ここから富士登山をしようという方はかなり奇特な方であるといえよう。一方、その砂地のせいで下山は快適である。

 今日はもちろん富士山頂まで行こうというのではなく、登山口から軽い周遊コースを歩く。目の前にある双子山(二ツ塚とも)に登り、幕岩という地点まで、そこから往路とは違う道を通って引き返そうという予定である。アップダウンも少なく、ほんの数時間で一周できるだろう。

左の山が双子山の片割れ・・高い方の1929m

フジハタザオ

 新五合目から、富士山頂への登山コースと別れて左手にある双子山に向かう。双子山は二ツ塚とも呼ばれる。もちろん富士のどちらも寄生火山。御殿側の塚にだけ登山道がついている。かつてここにはスキー場が開かれていたが10数年前だったか雪崩の事故があり、その後閉鎖となって、すでにその名残はほとんどない。

 ザクザクと歩き難い砂の道を歩く。足下にちらちらと白い花。フジハタザオだ。どうやらこれは富士山周辺にだけあるものらしい。ようやく双子山の看板のある二つの塚の狭間に到着。ここから山頂までは一登りだ。

双子山のひとつから片割れを望む

山頂には左の様な碑が立っていた、

 山頂に到着。新五合目の標高が1440mなので、ここまで約500mの登りだったことになる。時間にすると小一時間。軽装で歩くのに専念すればもっと早く到着できるだろう。

 ちょうど私が山頂に着いた頃、これまでずっと見えていた富士山頂に雲がかかってきた。しばらくごろんと寝転がって待っていたが一向に雲が切れる様子は無い。残念ではあるが、今のこの時期、見えたとしても絶景ではない、晩秋、新雪が山頂に降りた頃また来てみようと決めて山頂を後にすることにした。

 二子の間を抜けて反対側へ。新緑の落葉松の向こうに、日本ランドや水ヶ塚、その向こうに愛鷹山が見える。いつも出かけている場所なのだが、見慣れない角度から見ると新鮮だ。

 このまま直進すると須山登山道と合流し御殿庭、さらには宝永火口に出られるが、今回は最短コースで幕岩に降りて戻ることにする。また、幕岩からは水ヶ塚に降りることも出来る。車1台だとどうしても周遊コースかピストンコースをとらざるを得ないが、車2台体制であれば、片道長距離コースが楽しいだろう。

双子山の間を抜ける道(山頂より)

 御殿庭への道と、幕岩への道を分ける地点「幕岩上」に到着。なんじゃこりゃというほどの標識の嵐である。こういうものは何とかヒトツにならないものだろうか。沢山あったら迷わないというものではない。むしろかえって迷いそうである。

 幕岩への道は道というほどしっかりした道ではなく、どこでも歩いてヨシという感じの道。背丈の低い落葉松の点在する明るい草原。これがこのあたりの森林限界の風景。秋も良さそうである。

 幕岩に向かって急坂を下り始めたところはもう鬱蒼とした樹林帯。これが森林限界の面白さだ。

幕岩への道

深林限界を少し下るとうっそうとした樹林帯になる。

 幕岩の名前の由来を知らないのだが、これは要するに涸沢のドン詰まりに屏風のように位置している岩である。この涸沢も雪解け水の出るピークや大雨のときにはおそらく水が流れるのであろう、幕岩も滝のようになったりするのかもしれない。

 幕岩の下から涸れ沢の横の斜面に踏み跡が沢山ついているだがそれは無視して、そのまま涸れ沢を下って崖の手前で樹林帯に入る。あとは、樹林帯の中の道をノンビリ駐車場まで戻るだけだ。


 このコースは、砂山〜森林限界〜樹林帯となかなか変化に富んでいて、距離が短くアップダウンも少ない割には意外に面白いコースである。ぜひ紅葉の頃、御殿庭と合わせて再訪したいと思っている。

 

新緑に覆われた幕岩とその下の涸れ沢

 

五合目には、登山客も観光客も少なくて、
こういう人ばっかり(笑)

富士登山駅伝も近い。