初春のダブルヘッダー

中央線沿線富士を眺める山歩き
百蔵山・高川山

2002.1.2

 年が明けて二日目、年末に悪化させた風邪も癒え山に登れる体調になった。初登りはちょっと遠くまで遠征。中央線は大月市近くの、何れも富士山の展望のよさで名高い低山、百蔵山(1003.4m)と高川山(975.9m)である。

百蔵山

 富士宮から富士吉田へ。月明りに富士山の姿がキリキリと冷たい。富士吉田からR139で大月へ。岩殿山の前でR20に合流する。右折。日本三大奇橋の一つとされる「猿橋」のあたりが百蔵山への入り口になる。

 百蔵山への道標を頼りに車を進める。市営グランド方面を過ぎると浄水場。手持ちの山の本には、このあたり「いこいの村キャンプ場」とあるのだが、どうもそのようなものが見当たらない。新しい浄水場が建設中で、これになっちゃたのかなぁ〜と思う。

 右に登山道を分ける。ここに一台なら車は止められそうだが、さらに先へと行ってみることにした。しばらくいくと、
いきなり闇夜に浮かぶ巨大な白い狛犬一対が正面に出現した。うげ!・・・。これが「和田美術館」。一般公開はしていない怪しげな施設で、思わず千と千尋の神隠しの世界を思い出してしまった(^^;

 

登山道入口 今回は下山口として使った。

 和田美術館の横から道はダートになる。しかしすぐに林道は終点。そこは広場になっていて駐車スペースとしては十分。十数台止められそうだ。すでに1台駐車中。朝焼けねらいのカメラマンなのだろうか。
 
 正月、毎年のことなのだけれど、
富士山麓は普段の週末を凌ぐカメラマンの数で、朝霧高原のR139沿いには車が多数。本栖、精進などに至っては近づく気にもならないほど。しかしながら、このあたりは全くひっそりして別世界だ。中央高速からのアクセスがいいから富士山カメラマンが結構いるんだろうと思っていたが、それは大外れだった。でもこの大外れはとれも嬉しい。
 
 美術館脇で富士山が撮れるよとの情報をもとに、明るくなるまでそこに停って居たのだけれど、どうも雲の様子が思わしくなく富士は隠れ気味。ならば登り始めてみようと、再び林道終点Pへ。ここから登ることにする。
 
 機材は、中判をペンタックス67に45、75、200mm、35mmはEOS3に24-85と70−200mm.。三脚は多少ブレてもいいかという気持ちで、カーボン三脚1つだけにした。
 
 道はわかりやすく整備状態も良い。いつまのにか雲はとれていて、朝の斜光に色づいた富士がくっきりと見えている。冬枯れの木立の隙間からそれを眺めながらの歩行。楽しみの少ないこの時期の山歩きとしては、この展望はアドバンテージである。林道終点から約40分で稜線へ、さらに10分で山頂に到着。木立はあるが広々とした山頂からはもちろん
富士の展望が抜群。その周りには山が折り重なるように連なっている。たった一人の山頂で展望を独り占めの気分。贅沢な朝である。
 

和田美術館

山頂からの富士山展望

百蔵山からの展望

 (国土地理院刊行数値地図50メッシュ標高を用い数値地図ビューアで描画)

大月市秀麗富嶽十二景の看板

こんな看板も・・

 東の空には雪雲らしき厚い雲が広がっていて、富士山の手前に見える杓子山、鹿留山あたりにも雲がかかっている。そのなかにあって富士山だけがぽっかり晴れ間に顔を出している状態。この天候でこれだけの眺めが得られたというのはラッキーなのかもしれない。その偶然に感謝しよう。あれ?、冷たいぞ・・・と思ったら、その厚い雲から雪がパラパラ落ちてきた。
 山頂には
「大月市秀麗富嶽十二景」7番山頂 百蔵山(1003.4m)とかかれた写真付きの立派な看板がある。なんだか札所の巡礼のようだが、むろんお札の販売はない。
 
 登りとは道を変えて下の登山口に向かって下りることにする。マイカーでの登山の場合には駐車場に車を置いて、山頂まで同じ道を往復というケースが多いが、ここの場合は周遊コースをとれるのが嬉しい。
 
 さてと・・・おっと、いきなり急勾配。ロープが張ってあるが足場はかなり悪い。今日は天気がいいからまだましだけれど、雨でぬかるんでいたりしたら大変だろう。 下からやってきた登山者。自ら止まって「どうぞ」というので先に下らせて貰ったが、その人を避けるための無理なコース取りをしたために足を滑らせて
新年初ゴケを喫してしまった。このときはなんともなかったのだが、どうも身体をかばって地面についた左腕を少々痛めたようで、翌日になってから痛みが出てきた。

 急坂を通り抜ければ、あとはなんということもなく登山口に到着。林道を駐車場まで戻るのはたいしたアルバイトではない。

高川山

 これで帰ろうと思ったのだが、時間はまだ早いのでもう一山偵察に行くことに決めて山の本を広げた。「高川山」ここも富士山の展望に優れた山と聞く。しかしもう時間は10時を過ぎている、この時間にはもう登山口に車を停めるスペースはないだろう。満車なら引き返すとして、登山口を確認しておくだけでも意味はある。
 
 中央線初狩駅前から道標に従って行く(最初は途中で見落として別の登山口に行ってしまった)。椎茸の栽培場が登山口で、ここには立派な看板が出ている。駐車してある車は2台。スペースは余裕。こうなったら登るしかない。

登山口→

この辺りが落石ゾーン

 「落石の危険があるため沢沿いコースをお薦めします」と書かれた看板がある。手元の山の本にも落石注意の記載があった。地図によると、ルートのバリエーションがかなりあって、この登山口からだけでも数通りのパターンが可能だ。もちろん登山口と下山口を変えればバリエーションはかなり広がる。だからこれらの山は中央線を使って駅から歩くのが正解。登山者も皆そういう考えなのだろう。人気の割りに登山口の車の台数が少ないのは、きっとそのせいだ。
 
 落石の危険と言っても通行禁止になっているわけではない。結局その落石の道が一番短時間で登れそうなので、そこを行くことにした。登り初めて間もなく落石ゾーンに突入する。

 落石ゾーンを過ぎてさらに登ると「←男坂 女坂→」の道標。うむ・・・男は黙って男坂。急登をぐいぐい登り、再び「女坂」からの道を合わせ、少し行くと平たんな場所にでる。登山口辺りは杉の植林地であったが、このあたりはもう広葉樹の雑木林だ。きっと新緑や紅葉の時期には今とは全く違う姿と色彩で我々を迎えてくれるのだろう。

 目の前にはこんもりとしたピークがみえる。あれが山頂に違いない。

 
 再び急登を一頑張り、登山口からだと約50分で、たくさんの登山者で賑わう山頂に到着。時間はちょうど12時。日があたればポカポカと暖かく絶好の山頂ランチ日和だ。

 山頂には百蔵山と同じく「大月市秀麗富嶽十二景」の看板があり、ここは11番。

 富士山は、残念ながら今は山頂を雲に隠しているものの、光と雲の様子はなかなか良い。「もうすぐ雲がとれて富士山が全部見えないかしら」と、お弁当を食べ終ってもなかなか下りはじめないグループもいる。

高川山からの展望 

(国土地理院刊行数値地図50メッシュ標高を用い数値地図ビューアで描画)

 さてここでの一番の展望はもちろん富士山なのだが、この山頂はほぼ360度の展望を誇っているということも紹介しておかなくてはならない。富士山の右側には三ッ峠山が大きい。そして左側には杓子、鹿留、御正体へと続く稜線。しっかりとした方位盤が設置されており、それと地図と実際の展望を見比べながらの山座同定が楽しめる。


 もうひとつ見えない名物がこの山にはある。それは山体をトンネルで抜けている
リニア実験線だ。この実験線の一部は山頂からも望むことができる
 
 山頂からは富士急の田野倉駅禾生駅へも下りることができるのだが、車があるので往路を戻る。こんどは女坂を経由。途中で沢沿いコースを分けるが、男坂と合流し往路を戻るコースをとった。沢沿いコースのほうが若干の遠回りにはなるものの、たいした違いではないだろう。一方、禾生に下るコースには福寿草の群生地もあるらしく一度歩いてみたいコースだ。

高川山山頂

高川山山頂