唐松岳〜白馬岳縦走 その1

2001.8.6

   

 いつものことながら、夏山の選定には多いに迷った。

迷いながらも結局、とくに積極的な理由もなく、

後立山連峰唐松岳から白馬岳を越えて朝日岳まで行こうと決めた。

 

 8月6日、午前4時、今一つの天候の中、富士宮を出発。登山口は八方尾根。ゴンドラリフトの運転が7時からなので、それまでに白馬村八方に着けば良しとする。たとえもっと遅くなったとしても唐松岳までは、コースタイムで僅か4時間、時間的余裕は十分だ。

 精進湖を抜け甲府南ICから中央道。久々の信州入りとなった。富士山や南アルプス、八ケ岳は厚い雲の中にお隠れ中だが、北に向かうほど天候は良さそうで、後立山の峰々は雲の隙間からちょっぴり顔を出している。豊科I.C.で高速を降り、R147を北へ。白馬三山にも朝日が当たって輝いている むふふ・・・


八方尾根のハイキングコースの前半、
展望のメインは五竜岳。

 毎度のことながらコンビニで朝食。7時半頃に八方第三駐車場着。この第三駐車場はゴンドラリフト乗り場からは少々遠いのだが、スキーシーズン以外は無料開放されている。駐車してある車はほんの数台、ガラガラである。

 そのときはあまり気にせず停めたのだが、山を下りて戻ってきたときに看板の注意書きを読んだら、「キャンプファイヤーをやることがあるので駐車は昼間のみ」だって。黒焦げになっていなくてよかったよ、ふぅ〜。

 ゴンドラリフト「アダム」兎平まで。荷物がデカイので乗り込むのにチョット苦労。リフトは時間が来れば前に出てしまうのだから焦ってしまう。降ろして積むより背負ったまま乗り込んだほうが正解だったか。高度はぐんぐん上がりミルミル下に見える田圃が小さくなる。兎平でペアリフトに乗り換え、黒菱平でさらにもう一回乗り換えて第一ケルンまで。ここはもう標高1800mの別天地

 

山の劇場は開幕からドラマチックだった。

 本日の撮影機材は、35mmカメラがEOS-1、EF24-85mm、EF70-200mm/F4、そしてタムロンの90mmマクロ、中判がプラウベルマキナ67である。EOS一式はウエストバックに収納して、即撮影体勢に移行でき、レンズ交換も迅速にできるようにしている。マキナ67はザックの上部に収納。これも35mmを収納したウエストバックとドッキングできるソフトケースの中にいれてあり、イザとなれば腰に装着した状態で歩くことが出来るようになっている。三脚はベルボンのカーボン三脚「カルマーニュ」。もう少し機材を増やしたいところだが、僕の今の体力ではこれが限度だ。

 しかし、これだけの荷物を背負った人間が、日帰りハイカーに交じって歩いていると、かなり目立つようで、すれ違うハイカーから声をかけられたり、怪訝な視線を感じたりする。横に着けた三脚を別にすれば、荷物の大きさはテント泊の登山者とさほど変わらないのだが、そのテント泊の登山者が今日はあまり歩いていないから必要以上に目立つのであろう。

 あちこち道草しっぱなしで、おおいに時間を費やし、ようやく八方池に到着。沢山のハイカーが池の周りで憩っている。ここは白馬三山が池に映るのが有名な定番の撮影地でもある。

 池に手を入れて遊んでいた少女に、「波が立つから手を入れるな!」と警告を発するカメラマン。どこにでもいるのだ、こういう奴。波がなくたって大した写真が撮れるような条件ではないのに、つまらんところにエネルギーを使うものだ。もし真面目に池に映る白馬三山を撮りたいのなら、ハイカーの居ない時間帯を選ぶべきであろう。この時間帯では、池で遊ぶ少女を点景として扱ったほうが、よほど写真として優れているように僕には思えるのだが、どうだろうか。

 不思議なことに八方池を過ぎても観光客はそれほど減らない。どうやら観光ハイカーでも健脚な人の場合は、池の少し上にある雪田や、唐松頂上山荘まであと1hrの地点にある丸山ケルンまで足を伸ばすようだ。なるほど、八方池往復だけではあまりにも距離が短く、1日仕事としてはもったいないということなのだろう。お歳を召されたかたも多いが、皆さんなかなか元気だ。

 丸山ケルンは絶景の地。五竜岳、不帰の険、白馬三山の眺めを心行くまで楽しめる場所。ここでザックを降ろし最後の大休止とする。

 丸山ケルンから先は登山者だけの世界だ。大きなザックを背負った大学生のパーティーが2組ほど。どちらも男女混成パーティー。
「明日は五竜へ縦走するんです。」
とリーダー。頑張れ若者


ハイカーで賑わう八方池

  


八方池付近からの白馬三山方面展望


燃える唐松


剱岳の撮影チャンスを終始狙っていたのだが、
結局良い状態にはならずに終った。

 ようやく唐松岳頂上山荘に到着。まだ14時前。荷揚げのヘリが頻繁に到着していて小屋の従業員は荷物運びに大忙し。受付は後回しにして先にテントを張ることにする。

 山荘はほぼ稜線上に立っている。テント場は飛騨側の斜面に造られていて、水場は一番下の雪田(小屋の受付では水は出ていないかもしれないと言われたが、実際には問題ない量の水が出ていた)だ。トイレは山荘の中のものを使用。このような場合、斜面のどの辺りにテントを立てるかというのが悩みどころだが、夜中に風が強くなることも考え、中間からやや下に設営することにした。

 最終的にはテント総数は7張。予想していたよりはるかに少ない数である。外から見るかぎりでは山荘もかなり空いているようだ。八方尾根はもちろん北アルプスでも代表的なハイキングコースで大人気だが、唐松岳は不人気なのだろうか。

 午後になって雲が広がり、光が失われた。天候がよければ唐松岳山頂まで行って夕焼けを待とうと思っていたのだが、この様子ではその必要もなしと判断し食事をして待機。
「んっ、あっ、やべ!!」 
西の空が赤い。慌てて稜線まで上がって不帰の険の見える場所に立つ。岩峰が赤く染まる
「あぁ・・・しまった・・・」
 完全に出遅れ。唐松山頂に登っていれば・・・と思っても後の祭りだ。ダイナミックな夕焼けのショーは十分ほどでTHE END

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